卓球のルールは2001年に大きく変わり、21点制から11点制へと切り替えられた。この変更は、単なる点数の変更に留まらず、卓球のプレーや戦術にも大きな影響を与えた。では、なぜ11点制が採用されたのか？

 

まず、21点制では1ゲームが長くなる傾向があり、観戦者にとって試合が単調に感じられるという課題があった。特に接戦にならない場合は、ゲーム中盤から試合の結果が見えてしまい、緊張感が続きにくい場面が多かったわけだ。11点制にすることで試合が短く、よりテンポよく進むため、観戦者が試合に集中しやすくなった。

 

また、21点制ではサーブの持ち回りが5本ずつだったため、試合の中でプレースタイルが固定化されやすいという問題もあった。11点制ではサーブが2本ずつ交代するルールに変更され、選手が頻繁にサーブやレシーブの戦術を切り替えなければならなくなった。この変化により、よりダイナミックで戦略的な試合展開が求められるようになったわけだ。

 

さらに、11点制は試合時間の短縮にも寄与している。卓球は国際的な競技としての人気を高めるため、他のスポーツとの競争が必要だった。特にテレビ中継や大会運営の視点から、1試合にかかる時間を短くすることで、多くの観客にアピールしやすいスポーツに変えようという狙いがあった。

 

競技の公平性を向上させることも理由の一つだ。21点制では序盤の失点が後々響きやすい一方で、11点制ではゲームごとのリスタートが早く、選手に立て直しのチャンスが増える。これにより、試合全体を通して集中力やメンタルの強さがより重要になったと言える。

 

このように、11点制の導入は卓球をよりスピーディーでエキサイティングな競技にするための大きな改革だった。試合の展開が早くなることで、選手にも観戦者にも新たな刺激をもたらす結果となったのだ。