
かつて主流だったペンホルダーグリップの使用者が、近年では減少している。その背景には、卓球のルールや戦術の進化が大きく影響している。
ボールの直径が大きくなったり、プラスチックボールが採用されたことで、ラリーが長く続く試合展開が増えた。これによりバックハンドの重要性が増したけど、ペンホルダーは構造上、バックハンドの攻撃力に限界がある。結果的に、シェークハンドの選手が有利な試合が増えてしまった。
シェークハンドはフォアとバックの切り替えがスムーズで、多彩な技術を使いやすい。その中でも「チキータ」みたいな台上技術は、ペンホルダーにとって対処が難しい技のひとつ。こうした新しい技術の普及が、ペンホルダーの選手にとっては厳しい環境を作っている。
ペンホルダーは習得に時間がかかるうえ、正しいフォームや握り方を教えられる指導者も減ってきている。練習環境が整っていないことで、ペンホルダーを選ぶ選手が減る結果になっている。
ペンホルダーはフォアハンドを多用する分、動きが大きくなりやすい。そのため、長い試合では体力の消耗が激しい。一方で、シェークハンドは動きがコンパクトで、エネルギー効率が良いとされている。
1970年代以降、ヨーロッパの選手たちがシェークハンドで攻撃的なプレースタイルを確立し、結果を出してきた。これが世界的にシェークハンドを主流に押し上げる要因となり、ペンホルダーの選手が減少する流れを生んでいる。
つまるところ、ペンホルダーが少ない理由は、卓球のルール変更や技術の進化、練習環境の変化によって、バックハンドや効率的な動きが求められる現代卓球で不利になってきたからだ。
「ペンホルダーが少ない理由は、卓球のルール変更や技術の進化、練習環境の変化によって、バックハンドや効率的な動きが求められる現代卓球で不利になってきたから」ということがわかっていただけましたか?
ちなみに、ペンホルダーの弱点を補うため、裏面打法(RPB)を取り入れる選手も増えているこうした新しいスタイルの登場で、ペンホルダーが再び注目される可能性もあります。