
卓球のラケットにラバーを貼る際、使用する接着剤にも国際卓球連盟(ITTF)の厳格な規定がある。この規定に違反する接着剤を使用すると、公式試合で失格になるだけでなく、健康被害を引き起こすリスクもあるため注意が必要だ。
まず、使用禁止とされているのは揮発性有機化合物(VOC)を含む接着剤だ。VOCは、塗布後に有害な蒸気を発生させる成分で、健康への悪影響が懸念されることから禁止された。2008年にITTFがVOC含有接着剤の使用を全面的に禁止するルールを導入し、それ以来、公式試合ではVOCフリーの接着剤が使用されるようになったわけだ。
VOC含有接着剤を使用すると、試合前の用具チェックで失格となる可能性が高い。現在の卓球用ラケットの検査では、特殊な機器を用いてラケットからのVOC蒸気の有無が確認される。この検査に引っかかると、即座に失格扱いとなるため、接着剤の選択には細心の注意を払う必要がある。
現在の公式試合で使用可能な接着剤は、「水溶性」または「VOCフリー」と表示されている製品だ。これらの接着剤は、安全性を確保しながら、適切な接着力を提供するように設計されている。ただし、水溶性接着剤でも乾燥時間が長くなる場合があるため、練習時や試合準備では余裕を持って作業を行うことが重要だ。
つまるところ、使用禁止の接着剤を避けることで、健康や試合の規定を守りつつ、安心してプレーに集中できる環境が整うのだ。自分に合った接着剤を選び、日頃から正しい使い方を心がけることが大切である。
「卓球用ラバーの接着剤はVOCフリーでなければならない」ということがわかって頂けましたか?
ちなみに、接着剤を使用する際には、適量を守り、塗りムラを防ぐことがポイントです。また、古い接着剤を剥がすときには専用のリムーバーを使用するとラバーやラケットを傷つけにくく、安全に作業が進められますよ!