
卓球において、サーブは試合の主導権を握るための重要な要素である。その中で、相手を惑わすためのフェイクモーション(偽の動作)を取り入れる選手も多い。しかし、フェイクモーションがルール違反に該当するのかどうか、疑問に思う方もいるだろう。
フェイクモーションとは、サーブ時に相手の判断を誤らせるために用いる偽の動作や仕草のことを指す。例えば、ラケットの振り方や体の動きで特定の回転やコースを予測させ、実際には異なるサーブを出すといった技術である。
卓球の公式ルールでは、サーブ時にボールを相手から隠す行為、いわゆる「ボディハイドサーブ」は禁止されている。これは、サーバーが身体や衣服、フリーハンドでボールを隠し、相手に見えなくする行為であり、2002年のルール改正で反則と定められた。
一方、フェイクモーション自体は、ボールを隠さず、相手に常にボールが見える状態で行われる限り、ルール違反には該当しない。つまり、相手を惑わすための動作やモーションは許容されているが、ボールを視界から隠す行為は反則となる。
フェイクモーションを効果的に活用するためには、以下のポイントを意識すると良い。
同じサーブフォームから異なる回転やコースのサーブを繰り出すことで、相手にサーブの種類を読まれにくくする。これにより、相手のレシーブミスを誘発しやすくなるわけだ。
ラケットの振り方やスイングスピードを変化させることで、相手に異なる回転やスピードを予測させる。例えば、強く振る動作でナックルサーブを出すなど、相手の判断を惑わせることが可能である。
サーブ前の視線や体の向きを意図的に変えることで、相手に特定のコースを予測させ、実際には逆のコースにサーブを送るといった戦術も有効だ。
フェイクモーションを多用する際には、以下の点に注意する必要がある。
前述の通り、サーブ時にボールを相手から隠す行為は反則である。フェイクモーションを行う際も、常にボールが相手に見える状態を保つことが重要だ。
過度なフェイクモーションは、相手だけでなく自分自身のリズムを崩す可能性がある。適度な範囲での動作を心掛け、安定したサーブを維持することが求められる。
このように、フェイクモーションは適切に活用すれば効果的な戦術となるが、ルールを遵守し、相手に常にボールが見える状態を保つことが重要である。フェアプレーの精神を持ちつつ、戦術の幅を広げていくことが望ましいと言えるだろう。
「フェイクモーションはルール違反ではない」ことがわかって頂けましたか?
ちなみに、サーブのバリエーションを増やすためには、日々の練習で新しいサーブの習得に挑戦することが大切です。特に、YGサーブや巻き込みサーブなど、現代卓球で効果的とされるサーブを取り入れてみてはいかがでしょうか。